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経産省、第16回調達価格等算定委員会の配布資料を公表

 経済産業省は15日、第16回「調達価格等算定委員会」の配布資料(以下、資料)を公表した。以下は、資料から太陽光発電に関する情報をまとめたもの。

 10kW未満の設備のシステム費用(太陽光パネル、パワコン、架台、工事費を含む)は、これまでの調達価格の算定にあたって、翌年度の全体の平均値の近似値となることから直近の新築設置の平均データを採用する。2015年度の算定にあたっては、2014年10 – 12月期の新築設置の平均値である36.4万円/kW(同期既築住宅の平均値は40.1万円/kW)が想定値として採用される案がまとめられた。

 なお、運転維持費については、パネルメーカーやJPEAへのヒアリング・ユーザーへのアンケートによる調査を実施し検討を行った結果、昨年度と同じ年間3,600円/kWで据え置きとするのが適当という案でまとめられた。

 順調にシステム費用が低下している住宅用設備だが、今後は新築住宅と既築住宅の設置費用のギャップをどう縮めるかがポイントになると言えるだろう。

 10kW以上の非住宅用設備のシステム費用については、2014年10 – 12月期のシステム費用の平均値は10 – 50kW未満の設備で32.2万円/kW(-4.3万円/kW)、50 – 500kW未満の設備で31.9万円(-0.4万円/kW)、500 – 1,000kW未満(-1.6万円/kW)、1,000kW以上(28.6万円/kW)となっており(括弧内は前年同期からの増減額を表す)、設備容量にかかわらず全般的に低下傾向にある。2015年度の算定にあたっては、2013年度の認定設備への報告徴収で得られた2014年7-9月期のデータが運転開始後の2014年10 – 12月期のデータより新しい市場価格を反映していると考えられることから、報告徴収で得られた1,000kW以上の設備のシステム費用の中央値である29.0万円/kWを想定値として採用する案でまとめられた。

 設備利用率は、より効率的に事業を行うようにしている案件が増加していることから、昨年度から1%引き上げた14%を想定値とする案がまとめられた。

 土地造成費は、2014年1-3月期から10 – 12月期に収集された全体のデータの平均値(0.36万円/kW)が2014年度の想定値(0.4万円/kW)と大きく変わらないことから据え置きとする案がまとめられた。

 接続費用は、2014年度の想定値よりも2014年1 – 3月期から10 – 12月期に集積されたデータの方が大幅に下回っているが、その多くのデータが接続保留問題などが生じる2014年9月より以前に接続済となった案件が9割以上を占めており、今後は接続費用の更なる上昇も考えられることから、据え置き(1.35万円/kW)とする案がまとめられた。

 土地賃借料は、2014年1 – 3月期から10 – 12月期に集積されたデータでは1,000kW以上の設備の土地賃借料の平均値が年間242円/平方メートル、中央値が年間153円/平方メートルとなった。2015年度の算定にあたっては、中央値の年間153円/平方メートルを踏まえ、2014年度と同じ年間150円/平方メートルで据え置く案がまとめられた。

 また、資料では、2012年7月の固定価格買取制度の開始以降、設備認定を受けたが運転開始前に事業実施を断念した案件に対してアンケート調査を行い、その結果が記述されている。アンケート結果によると、事業実施を断念した案件について、実際に運転を開始した案件よりも特段費用がかかっているという事実は確認できなかったとした。一方で、土地の確保・許認可の問題によるものと回答された案件が、10 – 500kW未満の設備で194件中101件に達したという。

 大幅なコストの低下が見られない非住宅用設備については、コストの問題よりもいかに土地を確保するか、系統連系を行えるかが問題となる。2015年は、長引いている接続申込みへの回答保留や固定価格買取制度の運用ルールの変更などもあり、現実的に厳しい状況になると言えるだろう。

経済産業省 – 調達価格等算定委員会(第16回)‐配布資料
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/016_haifu.html