産業用太陽光発電システムを導入する場合、最も大きなリスクとなるのが系統連系です。
10キロワットのシステムも1メガワットのシステムも一括りに産業用太陽光発電と呼ばれていますが、システム容量によって系統連系の方法や連系区分などが異なってきます。
システム容量による連系区分
太陽光発電システムの容量に応じて、連系方法は異なってきます。
大きく50kW未満のシステム、50kW~2MW未満のシステム、2MW以上のシステムの3つに分けられます。
連系区分 | 低圧連系 | 高圧連系 | 特別高圧連系 |
---|---|---|---|
設備容量 | ~50kW未満 | 50kW以上~2MW未満 | 2MW以上 |
設備関連 | 直接引込 | 要キュービクル | 要キュービクル |
主任技術者 | 不要 | 必要 | 必要 |
保安規定 | 不要 | 要届出 | 要届出 |
事前協議 | 1ヶ月、無料 | 3ヶ月、有料 | 4ヶ月以上、有料 |
系統連系の注意点
連系に係る費用は発電事業者が負担する
低圧連系を行う場合、連系そのものには費用が発生しますが、事前協議には一切費用がかかりません。一方で、高圧や特別高圧として連系を行う場合は、事前協議の段階から多額の費用が必要となります。
連系の際に必要となる引き込み線の敷設などの費用は、基本的に発電事業者が負担することになります。近くに電柱(電力供給網)があるかどうかは、事業コストに大きく関わってくるため計画段階で十分注意しなければなりません。
系統連系のリスク
全国的に産業用太陽光発電所の建設が相次いでいる一方で、電力会社による系統拒否や買取制限などが大きなリスクとなっています。
この系統連系に関するトラブルを理由に、実質的に事業計画を変更、断念せざるを得なかったという事業者も少なくないようです。
(事前協議に平均して3ヶ月近くかかること、連系工事負担金の相場が不透明で非常に高額だった、理由もなく系統拒否された、など)
小中規模のシステムであればこういったトラブルは想定されませんが、あらかじめこのような現状があることを知っておくことに越したことはありません。
- 連系区分は3つに分けられる
- 系統拒否などのリスクが伴う
- 事前協議などにもコストがかかる場合がある