発電量で選ぶ太陽光発電システム

太陽光発電システムを導入する場合、設置工事にかかる初期費用をどのくらいのペースで回収するかということが重要になります。
初期費用を早く回収するとそれだけ売電による採算性を高めることが可能となるため、できるだけ発電量を多く見込める太陽光発電システムを選択する必要があります。

発電量を左右する条件

太陽光パネルの最大出力

ある太陽光パネル1枚の発電能力を示す値として「最大出力数」という言葉があります。
例えば最大出力数が200Wの太陽光パネルの場合、条件が良ければ最大200Wの電力を発電できるということです。
最大出力数が高ければ高いほどより多く発電することができます。

ただし、最大出力数が大きなパネルの中には、単純に「太陽光パネルの面積が大きい」という理由だけのものもありますので注意が必要です。

太陽光パネルの種類

太陽光パネルは、現在最も普及している単結晶シリコン型や多結晶シリコン型といった結晶シリコン系と、CIS太陽電池やCIGS太陽電池といった化合物系、 色素増感型を始めとした有機系と、大きく3つに分けられます。

太陽光パネルの種類

太陽光パネルの変換効率

太陽光パネルの製品情報やカタログを見ていると、よく「モジュール変換効率」という言葉を目にします。ご存知の通り、太陽光発電システムは太陽の光エネルギーを利用して電力を発生させるのですが、変換効率とは、「太陽光パネルが受けた太陽光エネルギーのうち、何%を電力に変換出来たか」を表す値のことです。

変換効率が高ければ高いほど、同じ日照条件、面積という条件の場合より効率的に発電することが可能となります。

変換効率の大小による違い

一般的に日本の家屋の屋根は広くないケースが多く、太陽光パネルを設置できる面積は限られています。
「少ない設置面積でもある程度の発電量を確保したい!」という場合は、変換効率の高い太陽光パネルを選択すると良いでしょう。

ただし、この変換効率は太陽光発電に最適な環境のもとで計測されたメーカー公称の値であるため、屋根に太陽光パネルを設置した際に同じ効率を発揮できるとは限りません。
また、変換効率の高い太陽光パネルは、そうでない太陽光パネルと比べると割高になる傾向があるため、ご予算とのバランスを考えて選択することが重要です。

パワーコンディショナーの変換効率

太陽光パネルが発電する電力は直流ですので、家庭内で使用するためには交流に変換しなければなりません。
その役割を担うのが「パワーコンディショナー」という機器です。

「パワーコンディショナー変換効率」とは、直流から交流へと電力を変換する際にいかにロスなく変換できたかを表す値のことです。
この変換効率が高ければ高いほど、電力ロスなく効率的に電力を変換することが出来るということになります。

いくら太陽光パネルの変換効率が良くても、パワーコンディショナーの変換効率が悪ければ多くの電力をロスすることに繋がります。

システム性能 = 発電量ではない!

ここまで太陽光発電量の大小について参考になるポイントを紹介してきましたが、これらの数値は特定の条件下で測定された値であるため、絶対的なものではありません。

実際に、太陽光パネルの変換効率は一日を通して変化しています。
例えば現在もっとも普及している結晶シリコン型太陽光パネルは、高温になると電圧が降下し変換効率が低下することがあります。
アモルファスシリコン型や一部化合物型の太陽光パネルでは電圧降下の影響が少ないと言われています。
お住まいの地域の気候条件や周辺環境を考慮して太陽光パネルを選択することも、発電量を確保するには非常に有効な手段と言えるでしょう。

どういった太陽光パネルが適しているのかは、太陽光のプロである販売施工店にしっかりと相談するようにしましょう。

このページのポイントは…

  • 太陽電池モジュールの公称最大出力に注目
  • 屋根に合わせたサイズのモジュールで効率的な配置を考える
  • パワーコンディショナーの変換効率も忘れずにチェック