計画から運転開始までの流れ

産業用太陽光発電システムを導入するということは、「発電所を開設する」ことと同じ意味になります。運転開始までにはいくつかのしかるべき手順を踏まなければなりません。
また、規模が大きくなればなるほどこの過程は煩雑としたものになります。

ここでは、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構が2011年に発表した『大規模太陽光発電システム導入の手引書』を基に、 50kW未満のシステムを導入するケースと50kW以上のシステムを導入するケースに分けて、導入フローを解説します。

産業用太陽光発電システムの導入フロー

50kW未満の太陽光発電システム導入フロー

計画(ヒアリング)
主に販売施工店から依頼主に対して、事業計画についてのヒアリングが行われます。
  • 導入目的の確認 投機目的、税金対策、非常用電源、etc...
  • 希望するシステムの確認 システムの規模や、実際のレイアウトなどを検討
設計(見積り)
建設予定地で測量、地質調査を行い、希望するシステムを実現できるかどうかなどが検討されます。
それを基に太陽光発電システムの基本設計をすると同時に、発電量シミュレーションを行い具体的な投資回収期間や採算性について考察します。
各方面への手続き
太陽光発電システムの基本設計終了時点から早い段階で、電力会社と連系に関する事前協議を行います。加えて、経済産業省に対して設備認定の申請手続きも行います。ここでの手続きは主に販売施工店が担うケースが多いでしょう。
必要となる書類や、その書式については電力会社によって異なるため、窓口での相談が必要となります。
発注
設備認定を受け、電力会社との需給契約の締結、系統連系に関する覚書の締結が完了した時点で、システムを構成する機器や部材を発注し、施工に向けて段取りを組んでいきます。
電力会社との調整や連系申込み手続きなどもこの時点で行います。
施工
造成、基礎工事などを行った上で、太陽光パネルやその他機器を搬入します。
ここでは設置工事に加え、電気工事なども行われます。
納品
試運転が完了し、系統連系が完了したら発電所は完成です。
基本的な運用についての説明や完成図書の引渡しが行われ、納品となります。

50kW以上の太陽光発電システム導入フロー

50kW以上のシステムの場合、自家用電気工作物という取り扱い区分になるため、導入に係る手間は非常に複雑になります。

50kW以上の導入フロー図

環境活動として

地球温暖化問題やヒートアイランド現象などの環境問題が年々深刻化しており、社会に対する責務として、各企業は環境活動や持続可能な社会の実現に取り組む事を義務付けられています。
環境に優しい太陽光発電システムを導入することで、対外に向けて企業の姿勢を強くアピールすることが出来ます。

節税対策として

グリーン投資減税の創設により、太陽光発電設備を取得した事業者は取得価格の全額を初年度に即時償却できるようになりました。
また、取得額の30%相当額を限度として償却できる特別償却や、中小企業者に限り基準取得価額(計算基礎となる価額)の7%相当額の税額控除などの税制優遇措置を受けられます。

産業用遊休地お見積り無料

計画から運転開始までのポイント

  • 住宅用太陽光発電の設置と大きくは変わらない
  • 50kW未満は低圧連系、50kW以上は高圧連系になる
  • 50kW以上になると必要な手続きが増える