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東京都、冷水で「豊洲新市場」冷房-太陽光パネルも設置

 東京都は整備を進めている中央卸売市場の豊洲新市場(東京都江東区)で省エネルギー対策に取り組む。市場施設と隣接する区域に建設予定の地域冷暖房施設から供給される冷水を活用した冷房の仕組み(居住域空調)を青果卸売り場に導入する。卸売り場内の温度を一定に保つとともに、一般的な冷房設備に比べて電力消費量を抑えられる。2000キロワットの太陽光発電設備も設ける。2015年度に新市場を完成させる方針。

 都は衛生管理面から、卸売り場などを壁で囲む「閉鎖型」の施設整備を進めている。そのため夏場に卸売り場内の温度が上がることが予想され、省エネ効果を見込める居住域空調を導入する。
 4街区と呼ばれる区域の一部に建設予定の地域冷暖房施設から冷水の供給を受け、内部の暖まった空気を冷水で冷やして再び送り込む。延べ床面積約1万2000平方メートルの青果卸売り場内の温度を一定に保てる。
 一般的な冷房設備の場合、屋内全体を冷やすが居住域空調は屋内の下部に冷気を重点的に送るため電力消費量の低減につながる。また地域冷暖房施設から、新市場全体の電力需要のうち4分の1程度の電力供給を受けることも検討している。青果棟と水産卸売り場棟に太陽光パネルを設置する。2000キロワットの発電を計画している。
 東京電力からの電力と組み合わせて市場施設の電力をまかなう。省エネのほか、複数の電源により災害時でも電力を安定的に確保することを狙う。都は環境に配慮した市場を重視し、これまでに北足立市場(東京都足立区)と世田谷市場(同世田谷区)に太陽光発電設備を導入している。

(記事:日刊工業新聞)