Hanergyが商業化可能な4台の太陽光発電車両を公開
世界大手の薄膜太陽光発電会社であるHanergy Holding Groupは、7月2日に北京の本社の屋外で開かれた「Disruptive Innovations Drive the Future」(破壊的イノベーションが未来を推進)をテーマにしたグランドセレモニーで、4台の完全太陽光発電車両を公開しました。同イベントには、社会の全ての部門から4000人以上の招待客が参加しました。
「Hanergy Solar R」と名付けられたスポーツカーは、Hanergy Holding Groupのリー・ヘジュン取締役会長兼最高経営責任者(CEO)がスポットライトの中で会場の周りを運転することにより、デビューを果たしました。リー氏はスピーチの中で、軽量、柔軟性などの薄膜太陽電池の利点を説明し、太陽電池は自動車や無人機、携帯電話、バックパック、衣類など、さまざまな製品に組み込むことができると語りました。同氏は、デビューを果たした完全太陽光発電車両はHanergyのモバイル・エネルギー戦略の最新の成果を示している、と語りました。
柔軟かつ高効率の薄膜太陽電池とモジュールを組み込まれた排ガスなしの完全太陽光発電車両は、光電変換システム、エネルギー貯蔵システム、インテリジェント制御システムを含む一連の精密制御・管理システムを通じ、太陽エネルギーを駆動力の主要源として利用しています。
Hanergyの完全太陽光発電車両は直接、太陽から電力を得ているため、充電ポストに依存せず、それゆえ、もはや「充電1回当たりの距離」で頭を悩ます必要はなく、中・短距離の旅行の間の「ゼロ充電」を可能にします。Hanergyが公開した4台の車両は、これまでの太陽光発電車両の貧弱な実用性というボトルネックを破壊し、商用化が可能な初の完全薄膜太陽光発電車両として、新しいエネルギー車両を再定義するものです。
31.6%の転換率を有するHanergyのガリウムヒ素(GaAs)二重結合太陽電池は、今回の発表会に当たってWorld Record Association(世界記録協会)のWorld Record Certificate(世界記録証明書)を取得しています。この技術は米国の再生可能エネルギー研究所(NREL)から2016年1月5日に世界最高の転換率を認められています。
Hanergyはまた、クリーンエネルギー・バス開発でFoton Motorとの枠組み合意書を結んでいます。
「Hanergy Solar R」に加え、2日夜に発表されたHanergy Solarシリーズの車両は、別々のユーザー集団を対象とするHanergy Solar O、Hanergy Solar L、Hanergy Solar Aも含まれています。
これら車両は軽量であり、薄膜太陽電池で覆われたエリアを最大限に広げています。そのユーザーフレンドリーな設計によって、ユーザーはリアルタイム、モバイル、ネットワーク、スマートの方法により、異なった旅行・天候モードを選択、管理することができます。ユーザーはモバイル機器に内蔵するアプリを通じ、さまざまな気象条件に応じて運転モードを選択することができます。さらに、これら車両は、太陽電池の保守のために超音波洗浄技術を備えています。
Hanergy Holding Groupの副社長で、Solar Vehicle Business DivisionのCEOであるガオ・ウェイミン博士によると、4台の完全太陽光発電車両は、それぞれ3.5平方メートルから7.5平方メートルまでの大きさの柔軟なGaAs薄膜太陽電池が組み込まれています。車両に搭載された薄膜太陽電池は、5時間から6時間の太陽光を取り込んで、1日当たり8-10キロワット時(Kwh)の電力を発生させることができます。これは年間2万キロメートル余りに相当する1日約80キロメートルを走行することができ、通常の環境下で市街地を運転するニーズを満たすことになる。このような破壊的イノベーションによって、完全太陽光発電車両は、普通の電気自動車のように充電ポストに頼る必要性は全くなくなります。
日常利用するモードの下で、この車両はクリーンな太陽エネルギーで充電されるとともに、走行中の「ゼロ充電」を可能にします。太陽光が弱い場合や長距離旅行の場合には、車両に装備されているリチウムバッテリーを充電ポストで充電すれば、1回の充電で最高350キロメートル走行できるようになります。
このセレモニーに参加した米国の再生可能エネルギー専門家のウッドロー・W・クラークII世は「私がここに来た理由は、太陽エネルギーで完全に駆動する車を製造しているHanergyを大いに信用しているからだ」と語りました。同氏によれば、Hanergyが開発した完全太陽光発電車両はグリーン産業革命のシンボルです。
完全太陽光発電車両の研究開発は、関連する120以上の特許と知的所有権を所有するHanergy によって独自に行われています。