太陽光発電補助来年度から減額 茅野市
茅野市は来年度から、住宅用の太陽光発電システム設置補助金を減額することを決めた。設置費用が低下してきていることから、1件当たりの補助金額を引き下げ、限られた予算の中でできるだけ多くの人に利用してもらえるようにする狙い。ここ数年、補助金の申請件数が急増、年度途中で予算が終了する状態が続いていた。
同補助金は地球温暖化対策の一環で2003年度に設けられた。従来は最大出力が10キロワット未満の設備で、対象経費の10分の1以内で市内業者を利用する場合は20万円(市外業者の場合は10万円)を限度に補助していた。
来年度からは、補助限度額を市内業者を利用する場合は10万円(市外業者の場合は5万円)に減額。補助金の算出方法も変更し、設置費用に関係なく、最大出力1キロワット当たり3万円とする。
市は今年度、当初予算で2200万円を計上。しかし、7月には早くも予算額に達したため、9月に1900万円を追加補正した。それでも年明けには再び予算額に達し、申請を打ち切った。申請件数は279件に上り、2年連続で200件を超え、過去最多を更新した。
市生活環境課によると、申請件数は余剰電力の買い取り制度が始まった09年度から急増。さらに、11年3月の東日本大震災に伴う原発事故で自然エネルギーへの関心が高まり、昨年7月に始まった再生可能エネルギー発電の固定価格買い取り制度が導入を加速させた。
導入拡大に伴い設置費用も低下してきたことから市は「補助金単価を下げ、なるべく多くの人が対象になるよう見直す」と補助金額の減額を検討。太陽光発電の普及を推進する方針に変わりはないとしている。
ただ、経済産業省は太陽光発電の買い取り価格の引き下げを検討しており、市の補助金も減額されれば導入メリットが低下する可能性もある。同課は「設置費用は相当下がっており、しばらくは増加傾向が続くのではないか」と推測している。
(記事:長野日報)