香川を飛ぶ :２０１３空撮点描／７止 メガソーラー発電所
塩業が衰退し、長期間塩漬けになっていた塩田跡地を利用したメガソーラー発電所（坂出市林田町、約３万３０００平方メートル）＝出力約２メガワット。全国約１０カ所でメガソーラー発電所計画を進める日本アジアグループ（東京都）が手がけ、昨年１１月、県内で最初に操業を開始した。県内は日照時間が長い上、塩田跡地は平らな地形のため、太陽光発電に適している。
昨年７月に始まった国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度と、県の立地促進方針の相乗効果で、県内各地でメガソーラー発電所が相次いで誕生している。大同ガス産業（高松市）は出力約１メガワットの発電所（高松市朝日町）を昨年１２月から稼働させた。四電工（同市）も、三豊市の建設会社と共同で、同市仁尾町に発電所（出力約２・５メガワット）の建設を計画しており、今年１０月の稼働を目指している。これらを含め、県内で計画・操業中のメガソーラー発電所は１７カ所ある（２８日現在）。
一方、経済産業省は固定買い取り制度による太陽光発電で作られた電力の買い取り価格を新年度から引き下げる方針。太陽光パネルの値下がりなどを踏まえ、現在の１キロワット時４２円から３０円台後半に値下がりする可能性がある。価格によっては参入を断念する事業者が出てくる可能性も否定できない。また発電コストの高い太陽光発電の拡大は、電気料金の上昇につながるという側面も持つ。遊休地が利益を生む夢の県内メガソーラー計画の行方は、国策に握られている。
（記事：毎日新聞）
