みずほコーポなど、インドで太陽光発電 運河上にパネル
みずほコーポレート銀行などの日本企業連合が、インドで初めて太陽光発電による売電事業に乗り出す。西部グジャラート州で、運河上に太陽電池パネルを敷き詰めた発電施設を設置し、同州電力公社に電力を売却する。温暖化ガスの排出削減に向けて、同州は太陽光発電を積極的に取り入れており、商機は大きいと判断した。社会インフラの整備で日本企業の進出支援にもつなげる。
グジャラート州政府などによると、発電出力目標は10万~20万キロワット程度で、総工費は200億~300億円程度を見込む。みずほコーポレート銀が1月、グジャラート州政府との間で事業化に向けた覚書を締結した。同銀が融資のほか、売電事業を担う日本企業連合の取りまとめ役となる。
太陽電池の供給元として京セラや鉄鋼メーカーなどが参加を検討している。日本企業連合が海外で太陽光発電による売電事業を行うのは珍しい。
太陽光パネルは運河の上に設置する。インドは地権者の権利に手厚く、土地収用には煩雑な手続きと時間がかかるが、運河上なら設置しやすい。また、1年を通して日差しが強い同州で運河上にパネルを設置すれば、工業用水の蒸発を防ぐことができるほか、パネルが絶えず冷却されるため発電効率も上がるという。
具体的な設置場所は今後詰める。同州の運河は総延長1万9000キロメートルに及ぶ。将来は運河上での太陽光発電を220万キロワットにまで広げる計画。事業規模は今後、さらに広がる可能性がある。
グジャラート州は、インドの「次世代の自動車産業の集積地」といわれ、スズキの印子会社、マルチ・スズキも新工場の建設を決めるなど、自動車関連を中心に日本企業の進出が加速している。日本専用工業団地の建設も予定されている。
(記事:日本経済新聞)