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太陽光発電、冬場除き好調 苫小牧

通信大手ソフトバンク(東京)が苫小牧東部地域(苫東)で太陽光発電実験プラントを稼働して1年が経過した。冬の発電量は低調だったが、4~10月は毎月100キロワット時を上回るなど好調に推移。通年実績も、太陽光発電の適地である帯広の実験プラントと比べ、ほぼ同水準となった。苫東への大規模太陽光発電所(メガソーラー)誘致に向け、プラス材料となりそうだ。

 ソフトバンクは苫東の臨海部と内陸部、帯広市の3カ所に実験プラントを建設。それぞれメーカー10社のソーラーパネルを設置し、昨年1月31日から発電量を記録している。

 10社の平均発電量は臨海部、内陸部ともに4~10月は好調。帯広とほぼ同水準か、それを上回る数値が得られた。苫小牧は夏にかけて霧の発生が多いが、霧が発生するのは夕方が多く、発電量への影響は少なかった。

 逆に11~3月は帯広を下回った月が多かった。特に昨年2月や12月は降雪が多く、発電量が低迷した一因となったとみられる。

 1年間の合計発電量は、帯広の1305キロワット時に対し、臨海部が約3%下回る1261キロワット時、内陸部が約7%下回る1212キロワット時。帯広には及ばなかったものの、苫小牧もほぼ遜色ない発電量であることが裏付けられた。

 苫小牧市の福原功産業経済部長は「帯広と匹敵する値が出てほっとしている。平らで広大な土地があることに加え、十分な発電量が確保できると分かり、苫東へのメガソーラー参入増につながるのでは」と期待を寄せた。

 ソフトバンクはすでに、苫東に最大出力11万1千キロワットのメガソーラーを建設すると発表しており、実験プラントは、各メーカーのパネル性能を比較するために設置していた。同社のメガソーラーは、2014年度に稼働予定。

(記事:北海道新聞)