EUの太陽光発電用ガラス反ダンピング調査、中国への影響は僅少
EUが中国の太陽光発電設備生産企業に対してしかけた反ダンピング・反補助金調査の影響が後を引いている。海外メディアの2月5日の報道によると、EU太陽光発電用ガラスメーカー協会(EU ProSun Glass)はこのほど欧州委員会に正式に提訴し、中国企業が市場シェアを獲得するため、欧州でコストをはるかに下回る価格で太陽光発電用ガラスを販売していると非難し、かつ中国企業の反ダンピング調査を実施するようEUに求めた。
上述した動きは、この前のEUの中国太陽光発電設備生産企業への反ダンピング・反補助金調査に続くものとされており、その目的は同調査の遺漏をなくすことだ。しかし業界関係者は、「今回の形式的な意義はその実質的な意義を大きく上回るため、短期間内に中国太陽光発電設備業界・上場企業に波及する影響は限られている」と指摘した。7日付中国証券報が伝えた。
民生証券電力設備・新エネルギーシニアアナリストの王海生氏は中国証券報に対して、「EU ProSun Glass」は中国製太陽光発電用ガラスに対して反ダンピング訴訟を起こしたが、これは米国の教訓を受け、調査の遺漏をなくそうとしたものと見られる」と分析した。2012年末現在、EU全体のソーラーガラスの市場規模は2億ユーロ未満であった。中国企業が市場シェアを27%占めていたとすると、同調査を実施したところで、中国企業の5400万ユーロの対EU輸出額にしか影響が生じないことになる。
王氏は、「太陽光発電用ガラスは部品全体のコストの2-3%しか占めない。短期的に見ると、本件が中国太陽光発電設備産業に与える影響は限られており、その形式的な意義は実質的な意義を大きく上回る」と述べた。
(記事:サーチナニュース)