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世界の風力・太陽光発電が「記録的成長」

2012年は、太陽光発電業界にとっても風力発電業界にとっても成功した年だったようだ。欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると、世界の太陽光発電の全設備容量は100GWの大台を上回ったという。一方、2012年に設置された風力発電の設備容量は44.7GWで、過去最高の年間伸び率を示したと、世界風力エネルギー協会(GWEC)は報告している。

太陽光発電容量の伸びは、2012年だけで30GWという「かつてない規模の」拡大により促進されたと、EPIAは説明している。欧州全域で17GW分の設備が増設されたほか、中国で3.5GW、米国で3.2GW、日本で2.5GWなど、過去最大レベルで発電容量が増加した。

世界全体における新たな発電容量は101GWとなった。これはおよそ、ブラジル程度の国の全発電容量に相当する規模だ。

一方、GWECによると、世界の風力の全発電容量は2011年から約10%増加し、最大282.5GWに達したという。中国と米国で大規模な増設があったが、風力に関してはEUが依然として先頭に立っており、経済危機により成長が鈍ったものの、全設備容量は世界シェアの37.5%と一定の水準を保っている。

中国を見てみると、風力は全発電設備容量のおよそ5.3%を占め、石炭、水力に次いで3番目に大きな電力供給源となっている。だが実際のところ、そのうち15GW(風力発電容量の20%)は電力網に接続されていない。風力タービンは配備されたとはいえ、その容量を発電量と混同するのは誤解を招くだろう。また、中国は深刻な大気汚染問題を解決するために石炭火力からの転換を進めているが、メインとなるのは石炭から天然ガスへの転換であり、再生可能エネルギーへの転換ではない。

経済協力開発機構(OECD)によると、世界の全エネルギー供給における再生可能エネルギーの割合は、1971年の4.8%から上昇して2011年には8.2%に達したという。すべての再生可能エネルギーのうち、最も多かったのは依然としてバイオ燃料(液体あるいは固体の状態のもの)だ。風力、太陽光、潮力発電に分類されるものはわずか9%に過ぎない。太陽光と風力の発電容量が記録的に増加しているとはいえ、全体の枠組みから見れば、いまだにかなり小さい規模なのだ。

(記事:WIRED.jp)