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三菱電機、コミュニティー向け電力自立運転管理システム開発

 三菱電機は、町内会規模のコミュニティー向け電力自立運転管理システムを開発した。長期停電時に既存の電線、配電設備と太陽光発電、蓄電池を使い、1週間以上の電力の自給自足を可能にする。電力会社の電線や変電設備といった運用システムと連携し、周辺系統の安全性、停電予想時間、他の地域への影響を考慮して自立運転する。

 数十~数百戸のコミュニティーが対象。災害時のコミュニティー規模での電力の自給自足はこれまで、電力の安全性確保や系統切り替えが課題になり、不可能だった。三菱電機は今回、電力会社の配電システムと相互連携する電力自立運転管理システムを開発して実現した。エリア内の電力系統の安全確保を条件に、自立運転を判断する。

 自立運転は電力会社から許可を受けて始め、まず蓄電池を起動する。電圧を徐々に所定の値まで上げ、周波数(50Hz・60HZ)を安定させた後に電気が使用できるようになる仕組み。コミュニティーの規模によって電圧と周波数の安定に必要な時間が異なるが、おおむね、停電が発生してから20分以内に、自動的に自立運転に移行できる。

 自立運転中は、蓄電池と、コミュニティーの太陽光発電システムから各戸に電力を供給し、蓄電池は太陽光発電の余剰分で充電する。過充電にならないように太陽光発電の出力を抑えたり、残量ゼロを防ぐために重要度の低い電気機器を停止させるなど、システムが電力使用量を自動的に調整し、1週間以上の電力の自給自足が可能になる。

(日経BP環境経営フォーラム)