シェル 太陽光が今後50年で最大のエネルギー源になる可能性
2月28日(ブルームバーグ):欧州最大の石油会社、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル は太陽光が今後約50年間に最大のエネルギー源になる可能性があるとのリポートを発表した。同社は4年前に太陽光事業から撤退している。
「ニューレンズ・シナリオ」と題した今世紀のエネルギー需要に関するリポートの中で、太陽光パネルが2070年までに主要なエネルギー源になるとの見通しを示した。もう一つのシナリオでは、天然ガスが30年までに主要なエネルギー源になると予想している。
リポートに付記した声明で、ペーター・ボーザー最高経営責任者(CEO)は「これらのシナリオは、今後数年間の政府、財界、家庭の選択が将来に大きな影響を及ぼすことを示している」と述べた。
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスが集計したデータによると、太陽光発電能力は昨年、約1億200万キロワットに拡大したとみられる。エネルギー価格の上昇を前提とするシェルの推計は、このような太陽光発電ブームを背景としている。国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、2000年時点では100万キロワットだった。
IEAによると、コストの低下と政府の補助金で太陽光発電量は35年に約6億キロワットになり発電の2%余を占める見込み。
シェルの今回のリポートは同社が発表したものの中では最も長期的な見通し。同社は過去5年間に、代替エネルギー、二酸化炭素の回収・貯留の研究に23億ドルを投資している。
シェルのリポートによると、エネルギー需要は、人口増や生活水準の向上などで今後50年間に倍増する見通し。同時に世界の温暖化ガス排出は2100年までにゼロに近くなると予想した。
原題:Shell Sees Solar as Biggest Energy Source After ExitingIndustry(抜粋)