伊予鉄がメガソーラー 東温市の遊休地、3.9億円投資
伊予鉄道は7日、太陽光発電事業に参入すると発表した。愛媛県東温市のバス運転練習場跡の自社所有地に約1メガワットの発電能力のある太陽光発電所を設置し、今年12月から稼働。全量を四国電力に売電する。基盤事業の鉄道・バスの運賃収入が伸び悩んでいることから、遊休地の有効利用で経営基盤の安定を図る。
太陽光発電所の敷地面積は2万1300平方メートル。ここに約5000枚の太陽光パネルを設置し、年間約120万キロワット時(一般家庭の約300戸分)を発電する。発電量は同社の路面電車に使う電力の約40%に相当し、年間300トン以上の二酸化炭素(CO2)削減効果があるという。
7月に着工する。総投資額は約3億9000万円で、年間約4000万円の売電収入を見込む。
同社は1916年(大正5年)に伊予水力電気と合併して電力事業を開始し、1942年(昭和17年)に戦時中の配電統制令で電力事業部門(現在の四国電力の前身)を分離するまで発電事業をしていた。今回の太陽光発電は71年ぶりの発電事業復活という。
最近、遊休地を多数保有する鉄道会社の太陽光発電への参入が相次いでおり、四国でも四国旅客鉄道(JR四国)が2013年度中の参入を明らかにしている。
(日本経済新聞)