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再生可能エネルギー利用 日南町が防災・防犯体制強化

 鳥取県日南町は、再生可能エネルギーを活用した防災・防犯システムを、3月定例町議会に提案した2013年度当初予算案に盛り込んだ。町民の安心、安全を確保するための「ベストミックス」に取り組む意向だ。

 再生可能エネルギーをめぐっては町内で昨年12月に町営の太陽光発電所(メガソーラー)「石見東太陽光発電所」(同町神戸上)が稼働を開始。施設の運営費などに充てるため「にちなん町民債」(利回り年1・2%、償還期間5年)を5千万円分、同月20日に発行した。

 今議会に提案している防災システムは、災害発生時の防災体制の見直しや、避難所機能の向上など防災対策事業の一環。災害による停電時に、防災無線など有事に必要な電気機器の電源として使用できるよう再生可能エネルギーとクリーンエネルギーを活用して蓄電する。

 使用電力が500ワットであれば4~5時間は使用可能なシステムを予定し、導入費1512万円を計上。予算案が可決されれば、災害時の避難施設となる地域振興センターなどに、各自治会と相談した上で、システムを導入する。

 防犯では、バス停に太陽光パネルで発電してLEDライトが点灯するシステムを試験的に導入する。暗い時間帯に通学、通勤、通院するバス利用者に対し、安全に利用してもらうのが目的で、事業費12万1千円を計上。今後、利用状況を調査して設置するバス停を決めるという。

 システムの導入に向け、増原聡町長は「現代において安心、安全は複雑に絡み合っており、一側面だけで考えることはできない。再生可能エネルギーなどをうまく絡め、町民のためになるようなベストミックスを目指したい」と話している。

(日本海新聞)