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三菱商事・革新機構、イタリアで太陽光発電

 三菱商事と政府系ファンドの産業革新機構は、イタリアで太陽光発電事業を手がける企業を約50億円で買収する。追加で400億円を投じて、発電規模を最大で一般家庭10万戸の電気を賄える20万キロワットに拡大する。太陽光発電の導入量で世界2位のイタリアで大規模発電事業のノウハウを蓄え、欧州の他地域や日本での事業展開に役立てる。

 19日発表する。イタリアは太陽光発電の導入量が昨年末で約1600万キロワットと、日本の3倍に上る。屋根にパネルを置く方式が多いドイツと比べ、企業が運営するメガソーラー(大規模太陽光発電所)が世界で最も普及している。

 パネル一枚当たりの設置コストが低い分、政府が決める買い取り価格は日本の半分以下と安い。日照時間が長い南部では、太陽光発電のコストが通常の電気料金並みに下がっている。銀行団による大型融資など資金調達の環境も整っている。

 イタリア企業の買収を通じ、大規模太陽光発電をつくる際の資金調達手法や設備改修といった運営上のノウハウを蓄積する。日本の再生可能エネルギーの普及にはメガソーラーの拡大が欠かせない。日本の太陽光発電は風力発電や地熱発電と比べ、発電費用が2~3倍高い。大規模発電で量産効果を高めることが、コスト低減につながる。

 両社はイタリアで太陽光発電事業を手がけるソーラーホールディング(HD)の株式を、同社の親会社ソーラーベンチャーズから買い取る。三菱商事が約30億円、革新機構が約20億円出資し、ソーラーHDの株式をそれぞれ50%、35%持つ。残り15%はソーラーベンチャーズが持ち続ける。

 ソーラーHDはイタリアに19カ所のプラントを持つ。総発電容量は4.2万キロワットで、約2万世帯に電気を供給している。

 三菱商事などは総額400億円を投じ、メガソーラーの事業者から30~40カ所のプラントを買い取り、総発電容量を15万~20万キロワットに拡大する。2~3年後に同国の太陽光発電事業の上位5社に入るのが目標で「買い取り制度に頼らずに発電事業をできるようにしたい」(三菱商事)という。

(日本経済新聞)