太陽光発電から撤退、独ボッシュも 巨額赤字で
自動車部品大手の独ボッシュは22日、太陽光発電の設備事業から2014年にも撤退すると発表した。非自動車部品部門を拡大するため07年に本格参入。独ベンチャーなどを買収してきたが、激化する価格競争にコスト削減が追いつかなかった。昨年に巨額の赤字を計上したため事業の継続をあきらめた。
傘下の太陽電池セルの製造・開発子会社やフランスの太陽光発電設備の組み立て工場は売却。マレーシアに予定していた工場建設も中止するなど「すべての事業は売却か閉鎖する」(同社)という。
太陽光発電の市場は再生可能エネルギーの需要拡大を受けて広がっている。だが参入企業が相次いだことで設備の供給過剰状態が続き、価格競争が激化している。価格はこの数年で4割も下がったという。ボッシュもコスト削減を急いだが、昨年12月期決算で太陽光発電の関連事業で10億ユーロ(約1200億円)を超す赤字になった。
ドイツでは再生可能エネルギーの柱として太陽光発電の普及に力を入れているが、設備メーカーは苦戦。大手のQセルズが昨年、法的整理となり韓国大手の傘下に入った。重電大手の独シーメンスも太陽光関連事業からの撤退を決めた。
(日本経済新聞)