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太陽光発電 市民ファンド

 多摩ニュータウンの公共施設や団地の屋上を活用して、太陽光発電の事業化を模索する「多摩電力合同会社」(多摩市)は、一般市民から広く資金を集めるファンドを作り、新年度から本格的な事業に乗り出す。23日に多摩市内で開かれた説明会には、約70人の市民が参加した。

 計画では、今後1年間で3億円をかけて出力計1000キロ・ワットの太陽光発電施設を多摩市周辺の学校や団地屋上に設置。発電した電気は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して東京電力に売却する。

 ファンド名は「たまでん債」で、市民から1口10万円で投資を募り、2013年度は1億5000万円を調達する予定だ。エネルギーの“地産地消”を目指し、この構想が始まったのは東日本大震災直後の2年前。昨年5月には市民ら有志で「多摩市循環型エネルギー協議会」が発足し、その後、発電を担う事業主体として同社が設立された。

 ただ、一般的には他の金融商品と同様に、期待する発電量が得られないなどの理由で、配当がなかったり、出資金が元本割れになったりする危険がある。参加者は、事業内容やリスクを見極めようと、熱心に聞き入った。八王子市の会社役員沢田浩二さん(60)は「理念にとどまらない計画が多摩でも進んでいると知り、驚いた」と興味深そうに話していた。問い合わせは同協議会事務局長の高森郁哉さん(090・3900・0479)へ。

(読売新聞)