太陽光とバイオガスでW発電 神戸市、民間と共同
神戸市は26日、民間企業と共同で、垂水下水処理場(同市垂水区平磯1)の施設を活用し、太陽光発電とバイオガス発電に取り組むと発表した。処理場施設の屋上部分に太陽光パネルを設置するとともに、下水汚泥から精製したバイオガスを燃やして発電する。市によると、太陽光とバイオガスのダブル発電事業は全国初。
年間発電量は計約450万キロワット時で、一般家庭の約1300世帯分に相当する。年間約1億7千万円の売電収入を見込んでおり、うち約3千万円が市の収入になるという。
事業名は「こうべWエコ発電プロジェクト」で神戸市と、大阪ガスの100%子会社である「エナジーバンクジャパン(エナジー社)」(大阪市)が共同実施する。9月ごろから太陽光パネル設置などの工事に着手し、12月ごろから発電を始める予定。
同市はこれまでに、下水汚泥からバイオガスを精製し、市バスの燃料に使ったり、都市ガスの導管に注入したりする事業にも取り組んでいる。
今回は、精製したバイオガスと、太陽光パネルを設置する約2ヘクタールの屋上スペースをエナジー社に提供。パネルやバイオガス発電の装置などはエナジー社が整備するため、市の負担は発生しない。さらに、発電時に出る熱を、下水汚泥の消化タンクの加温に利用できるメリットもあるという。
売電は、エナジー社が国の固定価格買い取り制度を利用し、関西電力と20年間の契約を結ぶ。
同市は「成果を検証し、他の3カ所の処理場でも実施を検討したい」としている。
(神戸新聞)