メガソーラー稼働相次ぐ 今月3か所
県内で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の稼働が相次いでいる。今月に入って都城市と川南、国富町の3か所で完成し、運転を始めた。昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が浸透。国内トップクラスの日照時間の地の利もあって、今後も建設が続きそうだ。
都城市のJR都城駅前で27日、JR九州の第1号となるメガソーラー「都城太陽光発電所」の発電開始記念式典が開かれた。
同社の唐池恒二社長は「東日本大震災が起きて自前の発電、蓄電設備を強化してきた。社有地を有効活用し、地元にも貢献したい」とあいさつ。河野知事は「宮崎の快晴日数は全国でもトップクラス。環境学習や太陽光発電への理解を深める施設になってほしい」と期待を寄せた。
太陽光発電の電気を電力会社が1キロ・ワット時あたり42円で買い取る再生可能エネルギー特別措置法の施行に伴い、JR九州は遊休地を利用した売電事業に乗り出した。
メガソーラー建設地は都城駅北側の旧車両基地約2万3000平方メートルで、昨年7月に着工。南に10度傾けた発電パネル(縦1メートル、横1・6メートル)を8050枚設置した。最大出力は1950キロ・ワットで、年間発電量は一般家庭525世帯分にあたる約210万キロ・ワット時を予定。九州電力に売電し、年間8400万円の収入を見込んでいる。事業費は8億円。
JR九州は「今後も遊休地を生かし、自然エネルギーを利用した発電所の建設を検討していきたい」としている。
この日は、宮崎ガスが川南町の塩付工業団地で建設していたメガソーラーの完工式もあり、運転を始めた。最大出力2025キロ・ワットで、年間発電量は一般家庭約650世帯分の約220万キロ・ワット時。約8000万円の売電収入を予定しているという。
資源エネルギー庁によると、県内で出力1000キロ・ワット以上のメガソーラーとして事業申請が認定されているのは27件で、出力の合計は4万2503キロ・ワット。認定件数は九州で4番目という。
国富町には太陽電池メーカー大手のソーラーフロンティア(東京)と砕石業の矢野産業(宮崎市)による県内最大規模のメガソーラーが完成、21日から運転を始めた。
矢野産業の所有地約7万平方メートルに両社がそれぞれ建設。太陽光パネルはソーラー社が製造した計約2万1000枚を利用、出力は3300キロ・ワットで、年間発電量は約450万キロ・ワット時を見込んでいる。
九州電力に売電し、最長20年にわたって取引される。県や国富町の関係者ら約100人が出席して落成式が行われ、矢野産業の矢野俊也社長は「メガソーラーが宮崎に大きく根を張る出発点にしたい」と意気込んだ。
(読売新聞)