ニュース記事一覧

ニュース一覧へ

南相馬太陽光発電所企業組合 待望の通電 技術生かし管理、運営

市民主導で再生可能エネルギー事業に取り組む「南相馬太陽光発電所企業組合」は29日、南相馬市原町区の原町木材工業団地内に出力49・725キロワットの太陽光発電所を整備し、通電を開始した。同組合が設置した発電所の稼働は初めて。
 東京電力福島第一原発事故を受けて、地元で再生可能エネルギーを活用した雇用の創出を目指し、平成23年12月に電気工事会社などを退職した市内の有志14人で組合を組織した。
 発電所は県内の太陽光発電所企業組合などでつくる福島おひさま連合の協力を得て、10アールの敷地に195枚の太陽光パネルを設置した。二谷恒雄理事長(64)を中心に、組合員が電気工事の技術を生かして自らパネルの設置などを行い人件費や工費などを抑えた。組合員が持ち寄った資金400万円ほどで完成した。発電した電力は東北電力に売電し、年間約270万円の売り上げを見込んでいる。
 組合は今後、津波の被災地を含む市内8カ所で出力計1700キロワットほどの太陽光発電所の整備を計画している。二谷理事長は「発電所の管理や運営は自分たちで行っていく。発電効率などを検証し、県内の各太陽光発電所企業組合にもノウハウを伝えていきたい」と意欲を見せている。

(福島民報)