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亀井組、太陽光発電所を設置・運営 風力でも受注活動

 建設会社の亀井組(徳島県鳴門市)は太陽光発電などの環境エネルギー関連事業を強化する。徳島県阿波市で7月から、太陽光発電所の運営を始める。電気機械器具製造の日立パワーソリューションズ(茨城県日立市)と協力し、風力発電設備の受注活動も始めた。2015年9月期には環境関連事業を売上高の約2割に増やすことを目指す。

 1月に設立したハローグリーンエナジー(徳島市)を通じ、太陽光発電所の設置、運営をする。新会社の資本金は2000万円で、亀井組と不動産開発のHIKコーポレーション(大津市)がそれぞれ5割出資した。

 阿波市内の私有地約8000平方メートルを賃借し、出力450キロワットの太陽光発電所を今月着工する。投資額は1億4000万円。固定価格買い取り制度を活用して全量を売却し、年間約2000万円の収入を見込む。建設や維持管理のノウハウの蓄積も進める。今後は西日本地区で出力1000キロワット級のメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業への参入を検討する。

 太陽光発電事業と並行して、今夏をめどに鳴門市の自社遊休地約1200平方メートルに、太陽光発電の試験設備を造る。太陽光パネルの設置角度やパネルを置く台の工法の違いなど計11パターンの設備を設け、建設や維持コスト、発電効率を検証する。環境に応じた最適な設置方法などを探り、太陽光発電所の設計や運営に生かす。

 風力発電では今年度、徳島県内で発電に適した候補地を選定した上で、参入を検討する事業者に導入を提案する。14年春以降、出力2000キロワット級の設備をまずは2~3機受注することを目指す。亀井組が営業や土木工事を、日立パワーソリューションズが設備の販売や設置工事を担当する予定だ。亀井組は顧客の事業に参加することも検討する。

 同社は地場中堅の建設業で、12年9月期の売上高約30億円のうち、環境関連事業は1億円程度だった。15年9月期には同事業の売上高を6億円程度に増やす計画だ。亀井組は中国の太陽光パネルメーカー大手で事実上経営破綻したサンテックパワーの販売代理店になっている。ただ同社日本法人は対日事業を従来通り継続するとしており、亀井組は「パネル供給に影響はない」としている。

(日本経済新聞)