徳島合同証券、小口出資ファンド販売参入 まず太陽光発電
徳島合同証券(徳島市)は小口出資を募るファンドの取り扱いに参入する。このほど同業務に必要な「第二種金融商品取引業」の登録をした。まず高知県のメガソーラー(大規模太陽光発電所)に投資するファンドの小口出資を募集、手数料収入を見込む。同社によると四国で地場証券が同業務を手掛けるのは初めてという。証券事業が競争激化で厳しさを増す中、新たな収益源を育てる。
環境ベンチャーのスマートエナジー(東京・港)が、全額出資する発電事業会社、土佐くろしおソーラー発電を通じて運営するファンドの小口出資を募る。同ソーラー発電は高知県土佐清水市の紅茶園跡地に2013年11月、出力1800キロワットのメガソーラーを稼働させる予定。
約7億5000万円の建設費用のうちファンドで3億円を賄い、個人や企業から出資を募る。うち、スマートエナジーがネットなどを使い8割を、徳島合同証券は対面で2割を販売する。同合同証券は15日にも募集を開始する。
募集は一口50万円で目標年間利回りは3.5%。分配金支払いは14年6月からの予定で、支払期間は18年間。13年目以降、発電事業の借入金返済後に事業計画より収益が好転した場合は目標利回りに加え追加分配をする。さらに一定期間後は元本を償還する見込み。
徳島合同証券では土佐清水市や周辺市町村のほか、中四国や関西で幅広く販売する。新事業参入に伴い、社員向けに太陽光発電やコンプライアンスの社員教育も実施、ほぼ全社員が小口ファンド販売を手掛けられるようにしたという。
同合同証券は徳島県林業公社と県内特産品の事業者との二酸化炭素(CO2)排出枠取引の仲介にも乗り出しており、環境関連ビジネスに力を入れている。今後も再生可能エネルギー関連で組成された小口ファンドの募集を目指すほか、地域活性化ビジネスに投資するファンドの販売などを手掛けたいとしている。
同社の12年3月期の売上高は約2億円。小口ファンド取り扱いによる手数料の上積みを目指す。
(記事:日本経済新聞)