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和歌山県、企業と連携して太陽光発電 遊休地を活用

 和歌山県は企業に県内の遊休地を紹介し、小規模な太陽光発電施設を運営してもらう「ミニソーラー事業」に乗り出す。第1弾として、大阪ガスの子会社、エナジーバンクジャパン(EBJ、大阪市)が紀美野町で7月にも発電事業を始める。事業者が得た売電収益の一部を施設が立地する市町村が受け取り、地域振興に生かす全国初の仕組みという。

 EBJは紀美野町内の約1600平方メートルの遊休地を賃借して、110キロワットの小規模発電施設を設ける。年間の発電量は約30世帯分の電力消費量に相当するという。

 EBJは、売電によって得られた収益の一部などを紀美野町に支払う。県の試算によると、紀美野町は契約期間の20年で約1200万円の収入を確保できる見通し。同町は過疎地域の活性化事業などに活用する。

 県は大規模太陽光発電所(メガソーラー)の誘致に向け候補地の情報提供などに力を入れている。ただメガソーラー向けの広い用地は確保しにくいのが現状。県は市町村が所有する小規模な遊休施設を中心に小規模発電所の立地を後押しし、再生可能エネルギーの普及と地域振興を両立させる。

(記事:日本経済新聞)