エコリンクス 太陽光発電保守サービス
企業や自治体が設置した太陽光発電システムの監視をパネル1枚から行い、早期の障害対策につなげる。そんなサービスを今春に始めるのが、エコリンクス(京都市上京区)。大規模太陽光発電所(メガソーラー)の相次ぐ稼働にともない拡大する監視・保守ニーズに応える。
サービスの特徴は、産業・公共向け太陽光発電システムを構成するパネルの発電量を1枚単位で見守る点。システム全体の監視サービスはすでにあるが、きめ細かさで差別化を図る。
仮に、4000枚の太陽光パネルを敷き詰める出力1000キロワットのメガソーラーの場合、すべてのパネルに発電状況を測定する装置を取り付ける。測定データは、インターネット経由で遠隔監視センターに集める。
センターの監視スタッフが注目するのは「事前に設定した正常な発電量を計測データが下回っていないか」という点だ。正常値より低い場合は、太陽光パネルの異常をパソコン画面で視覚的に伝えるという。
さらに、多数の太陽光パネルから不具合が生じた部材を効率よく探すため、パネルの識別に必要な番号を割り振った。
故障したパネルが見つかると、システム設置者の要望を聞いた上で、現場に近い保守スタッフに連絡し現地に急行させる。
監視サービス料は、1000キロワット級発電施設の場合で月20万円を想定している。必要に応じて、部材交換などの保守・点検メニューを加える。
同社は2010年6月から、太陽光発電システムの設計・施工技術を学べる「京都エコエネルギー学院」(同上京区)を運営。「太陽光設計士」と呼ぶ民間資格も創設し、約1000人の設計士を輩出してきた。
今回の保守業務は、同学院の卒業生らの協力を得て行う。人材の専門性に裏打ちされたサービスを武器に、合計10万キロワット分の太陽光パネルを監視・保守することをめざす。
12年7月に再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る「固定価格買い取り制度」が始動し、全国各地で太陽光発電施設による売電事業などが活発化。事業の成否を左右する「発電量の長期維持管理」が焦点となっている。
川東知宏・営業推進企画マネージャーは「監視・保守で経験を積んだ人や学院の卒業生が、再生可能エネルギーの『地産地消』をマネジメントする人材として各地で活躍してほしい」と期待を寄せる。
(記事:SankeiBiz)