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産廃処分場を太陽光発電用地に 県公社、企業に有償で貸し付け

 第三セクターで運営されている県産業廃棄物処理公社は11日、福井市白方町の産廃最終処分場で埋め立ての終わっている土地を太陽光発電用地として民間に貸し出すと発表した。処分場の有効活用と再生可能エネルギーの普及、地域経済の活性化につなげる狙い。出力は500キロワット級を想定しており、県関連施設の太陽光発電設備では最大規模となる。県内企業を対象に設置・運営事業者を15日から募集し、3月に選定する。

 処分場の埋め立て地は無害化して一般の土地利用ができるまで30~40年間の管理が必要な上、管理期間中の土地利用が制限されており、これまで活用法がなかった。昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を受け、処分場を運営する全国の自治体で太陽光発電を設置する動きが広がっている。

 同公社が太陽光発電の設置を計画しているのは、2009年に産廃の埋め立てが完了した管理型最終処分場を中心とした約7千平方メートル。想定出力の500キロワット級は関西電力がおおい、高浜両町の2カ所で計画している発電設備と同規模で、一般家庭で132世帯分の電力をまかなえるという。

 公社は公募により選定した事業者に土地を有償で貸し付け、年間の貸付料63万円を得る。貸付期間は固定価格買い取り期間の20年をめどとする。

 事業者は太陽光発電の設置費や地盤沈下対策などの工事費、維持管理費などを負担する。公社によると、初期投資で2億5千万円程度かかるという。一方、固定価格買い取り制度で1キロワット時当たり42円で売電した場合、年間2千万円程度、20年で4億円の売り上げになると試算している。

 公募する事業者は県内企業で、複数企業で構成する連合体でも可。事業者には▽県民の環境学習に寄与する企画▽北陸電力の電力系統が停電した場合などに地域防災に役立つこと▽県内経済への波及効果▽処分場の維持管理に悪影響を与えない対策―などについて提案を求める。

 希望事業者を対象に今月24、25日に現地見学会を開く。2月12~18日に企画提案書を受け付け、有識者らでつくる選考委員会で審査し、3月初旬に事業者を決定。発電は来年3月までに開始させたい考え。

 同公社の高木和昭理事長は「太陽光発電事業を運営してもらい、処分場の維持管理に支障がないなら他の埋め立て地にも広げていきたい」と話している。

 問い合わせは、同公社=電話0776(85)1228。

(記事:福井新聞)