ポリマー有機薄膜太陽電池で世界最高レベルの変換効率を達成 – 東レ
東レ株式会社は20日、有機薄膜太陽電池において、単相素子としては世界最高レベルとなる10%超の変換効率を達成したと発表した。
同社が新たに開発した高配向性の芳香族ポリマーをドナー材料に、フラーレン化合物をアクセプター材料に用いることで、発電層を高度に配向制御すると共に厚膜化(従来比約3倍)に成功したという。開発した有機薄膜太陽電池は、外部量子効率(照射した光子が電子に変換された割合)が光吸収波長領域の全域に渡って9割を超え、短絡電流が無機太陽電池に匹敵する値に達するなど、極限に近い高効率化を実現している。
有機薄膜太陽電池は、様々な種類の太陽電池の中でも最も薄く、最も製造が簡便であることから、抜本的な低コスト化が実現可能な次世代の太陽電池として開発が進められている。最近では、建造物の壁面利用や車載用など、新用途への展開が期待されているが、変換効率の低さが実用化に向けての大きなハードルとなっている。同社では今後、2015年近傍の実用化を目指し、一層の材料・素子性能向上を図っていきたいとしている。
東レ株式会社 – プレスリリース
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