積水化学、フィルム型色素増感太陽電池の試作に成功
積水化学工業株式会社のR&Dセンターは5日、AIST先進製造プロセス研究部門先進コーティング技術プラットフォーム研究班と共同で、世界で始めて室温プロセスでのフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功したと発表した。
今回試作した太陽電池では、産総研の保有するAD法技術と、積水化学の保有する微粒子制御技術・多孔膜構造制御技術・フィルム界面制御技術を駆使し、光電変換層とフィルムの高い密着性と良好な電子輸送性能を実現することで、有機フィルム上の色素増感太陽電池としては世界最高水準の8.0%の変換効率を実現しているという。
熱エネルギーの代わりに高速衝突エネルギーによる微粒子結着メカニズムを利用することで、従来の高温焼成セラミック形成プロセスが不要となり、室温でのフィルム化に成功した。耐熱性の低い汎用フィルムや粘着テープのような材料にも成膜が可能で、さまざまなフィルム基板を用いた色素増感太陽電池が製造可能となり幅広い用途が期待されている。
これらの取り組みによって、低コスト・薄型・軽量・大面積・フレキシブル色素増感太陽電池の生産が実現できるようになるという。同社は今後、量産技術を確立し、同社製品への適用検討を進めるとともに、さまざまな用途展開に関し幅広く事業パートナーを募って連携を進め、2015年の太陽電池市場への参入を目指すとしている。
積水化学工業株式会社 – 新着情報
http://www.sekisui.co.jp/news/2013/1239078_2281.html