太陽光関連「NPC」に注目!中国が設備投資計画と報道
太陽光発電モジュール製造装置で世界首位『NPC』(東証マザーズ・6255)の株価が噴き上げている。年初来の上昇率は42%(1月17日時点)に達し、12月以降なら2倍近く上昇している(95%超)。
この現象は、同社にだけ起きているのではない。世界の株式市場では12月以降、太陽光関連銘柄が軒並み『NPC』同様に爆発している。
香港に上場する中国の太陽光関連株『コムテックソーラーシステム』は年初来58%の上昇。『シンイエソーラー』などの大型株も同28%上がっているが、より小さな低位株なら年明けから100%以上噴き上げている太陽光銘柄もある。
米国に上場する中国の太陽光銘柄では、『LDKソーラー』や『英利緑色能源』といった銘柄が昨年後半から約2倍となったが、他の中国ライバル企業株も調子がいい。
米国の大手で太陽光銘柄の元祖『サンパワー』の株価も12月前半の5ドル以下から年初には一時9ドルを超えた。著名投資家ウォーレン・バフェット氏傘下の電力会社が、『サンパワー』と大規模なソーラー発電施設建設の契約を結んだというニュースも刺激となったようだ。
こうした中国や米国のソーラー銘柄の多くは、太陽光から発電を起こさせるセルやモジュールと呼ばれる部材や原料を作っている。こうした部材を作るための製造装置をNPCが作っている関係になる。従って、顧客である米国や中国のソーラー企業が増産に向けて設備投資をするほど、NPCには明るい話となる。
世界のソーラー企業は2007年と09年~10年頃に大きなブームを迎えた。当時、NPCの業績もよかったが、11年以降の業界は不況に陥った。太陽光発電装置の最大の顧客である欧州が債務危機により需要が減速、さらに中国メーカーの大増産でモジュール価格は暴落した。このため、関連企業は赤字続きの状態だった。
しかし、ここに来て明るい話もでてきている。中国が太陽光発電設備容量を昨年の4ギガワットから今年10ギガワットにまで拡大させるとの報道があり、これを機に世界の関連銘柄は上昇に転じたようだ。バフェット氏の大型契約も明るいニュースか。
NPCも現段階の業績は赤字ながら、今年反転する期待が東京市場でも出ているのだろう。勢いあるが、ソーラー銘柄は好不況の波が大きい点に注意してほしい。
(記事:ZAKZAK)